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"家事労働がしだいに専門業者や機械に肩がわりされて、家庭の主婦の手からはなれてゆくとすれば、サラリーマソ家庭の主婦は、しだいに妻としての存在意義の基礎をうしなってゆく、ということにならないだろうか。 * 妻という名のもとに女に要求されたさまざまな性質は、やがて過去のものとなるだろう。あるいはまた、女として必要とされた性質も、おおくはおきさられるだろう。女の男性化というといいすぎだが、男と女の、社会的な同質化現象は、さけがたいのではないだろうか。そして、今後の結婚生活というものは、社会的に同質化した男と女との共同生活、というようなところに、しだいに接近してゆくのではないだろうか。それはもう、夫と妻という、社会的にあいことなるものの相補的関係というようなことではない。女は、妻であることを必要としない。そして、男もまた、夫であることを必要としないのである。"
梅棹忠夫「妻無用論」