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"他人にかまわず正しい事をする人っていつの時代でもいるでしょう。そういう人は必ず失敗すると思うんです。今回意識したのは、やはり「正しい事を言う人」です。正しい事を言って、失敗していく人。
普通の人は揺らぎの幅みたいなのがあって、そこがセーフティーとして機能する。正しさを認識していても、恐ろしい現実を見てみぬ振りして生きていける。
だけど、なかには絶対に見てみぬ振りが出来なくて、正しいことしか受け入れない人がいる。彼らは傷ついて、上手くやれないことが多い、いや、まず上手く生きられない。
僕はその人達のことを単純に否定したくないんです。
彼らの事をメディアは良く言わないでしょう。「曖昧にできず、正しく生きようとした人だ」とは言わない。むしろ狂人とよぶよね。
自分を騙せずに極論に行ってしまう人・・・今回はそこも否定せずに描きたいと思う。
この社会には色んな矛盾や理不尽な話がいっぱいある。その中で傷つきながら、最小のコミュニティの中でかばいあう。例えそのコミュニティが罪の場所だとしても、他の場所で生きるという選択肢は彼らには無かった。世間では、恐ろしい毒壷であっても、彼らにとっては記憶の故郷であるという・・・その不幸と極限の感情を描きたい。"
輪るピングドラムVol.1 幾原邦彦インタビュー